「下痢」にもいろいろあります。
こんにちは。エルム薬局の笹田です。朝晩、肌寒くなってきましたね。
気温差による体調不良の方が増えてきた感じの今日この頃です。
本日は冷えによる下痢でお悩みの方のご相談です。
60代女性、慢性的に下痢症状が続いています。
痩せ気味の方で、食事量は普通ですとのこと。暴飲暴食をされている様子はありませんでした。冷え性を自覚されています。舌の色は白っぽく、舌の苔は薄い感じです。赤みが薄くて白っぽい舌は体内で栄養が不足し、生命力が低下していることをあらわしています。
舌の色で身体の調子を見ることを「舌診{ぜっしん)」といいますが、正常な舌の色は薄いピンク色です。参考にするなら子どもの舌を見てみてください。きれいなピンク色で張りのある健康的な舌のはずです。でも、大人になると100点満点の理想的な舌の人って少なくなってきます。ですから神経質に舌の色を気にする必要はないですが、その日の健康状態によっても舌の状態は変わってくるのでときどきチェックされるといいですよ!
さて、前述の方には「人参湯(ニンジントウ)」を飲んでいただくことにしました。
「人参湯」は胃腸が虚弱で食欲がなく、冷えによる腹痛や下痢があるときに用います。胃腸を温めて治すお薬ですから、お腹が冷えている人の下痢に効果があります。
服用を始めてから1週間ほどで少し調子が良いとのこと。その後は調子が悪くなると来局され、1週間ずつご購入されています。
一口に「下痢」といっても、原因・誘因はさまざま。
暴飲暴食やウイルスや細菌による胃腸炎からの下痢など外的要因から起こるもの、そして病後や手術後あるいは抗がん剤など薬の副作用による下痢など副次的に起こるものもあります。
漢方ではそれらをひとくくりにせず、原因と体質をみながらその方にあったお薬を見つけていきます。
”下痢はとめればよい”、だけではないですもんね。体質改善に漢方薬をお試しください。